現在、コンサルタントと名乗る人の数が増えていますが、コンサルタントを取り巻く世界に生じているいくつかの変化を原因としてあげることができます。
ソリューション営業の出現
日本社会が豊かになりモノやサービスを売ることが難しくなってきたことに伴い、ソリューション営業という言葉が出てきました。
ソリューション営業とは、いきなりモノやサービスを売り込むのではなく、顧客の抱えている問題の「解決策」を提供するという名目のもとに、結果的にはモノやサービスを売る営業スタイルです。
これまで、企業向けのコンサルタントは、調査報告、分析結果、戦略立案などの無形の知識や知恵を提供することで報酬を受け取るスタイルでした。一方で、ソリューション営業という方法は、調査や分析は無償で行い、最終的には自社の商品やサービスの販売することでビジネスを成立させるスタイルです。
ただし、ソリューション営業をするにあたって、名刺の肩書きが「セールスマン」のままでコンサルティングサービスを提供しても信憑性が低いため、名刺の肩書きを「○○コンサルタント」して箔を付けるケースが増えたことが、世の中にコンサルタントが増えている理由の一つです。
具体例をあげると、オフィスコンサルタント、保険コンサルタントなどがあります。
法人向けから個人向けへ対象が拡大
これまで、コンサルタントが担当するコンサルティング業務は、企業向けに提供されていましたが、個人を顧客とする営業活動においてもソリューション営業が活発になることに伴い、コンサルタントと名乗る人の数が増える結果となりました。
さらに個人向けとしては、カルチャー分野を専門領域とするコンサルタントも現れています。
具体例をあげると、おもちゃコンサルタント、墓石コンサルタント、転職コンサルタントなどがあります。
ゼネラリストからスペシャリストへの流れ
一方で、企業向けのコンサルタントについても、ゼネラリストからスペシャリストへの流れが加速しています。
これは、コンサルタントの取り扱う課題の範囲が広がり、かつ複雑さを増していることを反映した結果です。
また、クライアント企業としても、経営課題の解決に万能な専門家と触れ込むコンサルタントではなく、例えば関係業界や職務領域、あるいは特殊技能について、スペシャリストとしての適切な専門的知識と経験を有しているコンサルタントに対する関心を高めています。
具体的には、財務コンサルタント、ITコンサルタント、人事コンサルタント、マーケティング・コンサルタントなどの名称があります。
まとめ
つまり、コンサルタントと名乗る人間が増えた理由は大きく分けて3つにあることになります。
- 個人向けのコンサルタントが現れた
- 営業マンがコンサルタントに姿を変えた
- 経営の各分野のスペシャリストとしてのコンサルタントが増えた
このように、現在コンサルタントと名乗る人々がたくさん存在しますが、企業経営に携わるコンサルタントを次のように定義することができます。
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